グランの目覚め
改めてグランツーリズモ、GTとは。
遠くまで、速く、快適に。
乗り心地がよく、
どこまでも行けるような。
乗ること自体が目的になるような。
スポーティかつラグジュアリーな。
ヨーロッパの高級車の1概念ですよね。
ロータスとかフェラーリとかとガチバトル中なのに後部座席には年老いた母と赤児がうたた寝中。みたいな。
ジャガーとかベントレーとかマセラッティとかAMGとかなイメージですかね。
日本だとなんか走り屋的な印象になっちゃうんですけど。
スカイラインのせい?プレステのせい?
ロードバイクにもそーゆージャンルがあってもいいんじゃないかなーと思いはじめまして。
あれは昨年のAJ埼玉主催、
BRM702 アタック日本海 という600kmブルベに出た時のことでした。
スタートから自然と4人のトレインになったわれわれは快調に飛ばし、80km先の群馬のPC1では1時間先にスタートした人々を追い越すほどのナイスペース。その後しんどい三国峠を越え、ギンギラの太陽に削られながら延々と南魚沼の田んぼを抜け、十日町のPC3あたりまでは予定よりも早いペースで貯金も十分にあり、
「これは5時間以上寝れるんじゃね?」
なんて余裕の笑みを浮かべていたものでした。
しかししかし。
それは突然来たのです。
長岡を過ぎ、300kmを越えたあたりで、
まったくもって脚が動かなくなったのであります!
ハンガーノックとはまた違くて。
驚くほどすすまない!
その時わたくしを爽やかに抜いて行ったのは遥か昔、PC1で抜き去ったランドナーの方。
丁度市街地に入り、信号で追いついたりするので自然と一緒に走ることになり、お話してるうちに意気投合し新潟まで一緒に走りました。
アルミフレームにカーボンフォーク、ハブダイナモでサイコンにも給電しながら走る彼のランドナーが安定して25kmペースを刻むのを後ろから眺めながら(この頃には風速20kmの土砂降り…)、ロングライドの真髄が少し見えた気がしたのです。
(つらすぎて幻覚を見ていた説も否めないが)
クソ土砂雨に心も身体も撃たれながら、なんとか燕三条まで350km。
ランドナーさんは越後湯沢まで行くと宣言。
わたくしはそこで彼と別れ、
ビジネスホテルに駆け込んだのでした。
(つづく)